OKOGE
英題:OKOGE
日本公開:1992年10月10日
製作国:日本
言語:日本語
画面:ビスタ
上映時間:120分
製作・提供:イントグループ映画製作委員会
配給:東京テアトル

【スタッフ】
監督:中島丈博
製作:中島丈博
原作:中島丈博
脚本:中島丈博
プロデューサー:高澤吉紀
        諸美里雅史
製作管理:沼尾釣
撮影:羽方義昌
美術:猪俣邦弘
編集:後藤彦治
照明:渡辺康
編集:後藤彦治
キャスティング:木村智生
録音:井家眞紀夫
調音:松本隆司
音楽:エジソン
音楽プロデューサー:有吉博
助監督:高坂勉

【キャスト】
諸橋小夜子:清水美砂
吉野剛:村田雄浩
寺崎栃彦:中原丈雄
栗原元治:塩野谷正幸
吉野搭一(剛の兄):長塚京三
吉野徳子(搭一の妻):丘みつ子
吉野季野枝(剛の母):千石規子
沢良宜民雄:深沢敦
露木:竹田高利
こまさん:木田三千雄
寺崎弥生(栃彦の妻):根岸季衣
年上の声優:木内みどり
同僚の声優:片桐はいり
居酒屋の客:ダンプ松本
結婚披露宴の司会:三笑亭夢之助
真奈美:横山道代
韮川:尾美としのり
こじま父:ケーシー高峰
婦人洋品店の店長:久我美子
小夜子の継父:チャールズ・ガーフィールド
小夜子の二組目の養母:渡辺えり子
小夜子の二組目の養父:ガッツ石松

【ストーリー】
 小夜子(清水美砂)は友人達と海水浴へ出かけたが、その岩場はホモたちのハッテン場だった。岩場の連なりに男たちが何十人も横一列に並んでいる。嫌がる友人を横目に小夜子はその中のカップル、剛(村田雄浩)と寺崎(中原丈雄)に目を奪われた。夕暮れの海で美しく官能的なキスを交わす彼らに、小夜子はうっとりと見とれてしまうのだ。
 数日後、小夜子はゲイバーで偶然、剛と寺崎に再会。その場で意気投合する。さらにホテルが見つからない彼らに、自分のアパートの一室を提供する。彼らは戸惑いながらも、その場で激しく愛を交わすのだった。
 それから小夜子と剛と寺崎、ホモとおこげの奇矯な関係―3人のユートピア―ができ上がっていった。少女期の体験で男性恐怖症に陥った小夜子にとって、ホモである剛と寺崎は他の誰よりも安心できる存在だった。
 しかし寺崎は、妻(根岸季衣)に剛との関係がばれたことで、まわりを気にし出す。そんな彼に不満を持つ剛。ぎくしゃくした2人の関係に寺崎は、小夜子の部屋の鍵を返すことでピリオドを打った。
 見合い話からホモであることを告白された剛の母(千石規子)は、悩み続け、うつ病にかかってしまう。また、突然剛の母から、剛と結婚してほしいと頼まれた小夜子は、思いがけない申し出に心が揺れるのだった。
 一方、剛は、寺崎との別離の後、ゲイバーで時折見かける男に好意を抱いていた。その男、自衛隊あがりの栗原(塩野谷正幸)は、実はノンケで小夜子の方に興味をもっていた。剛と栗原を何とかして恋人同士にさせようとする小夜子だったが、ある夜、栗原は強引に彼女を求めてきた。激しく抵抗する小夜子だったが、次第に彼女の体は開かれていく。「剛が惚れてる男だもんね。私を男だと思ってね。」
 数か月後、剛の母は郊外の病院に入り、あれほどホモである剛を嫌がっていた家族は、小マメに面倒をみる剛を、ホモでよかったと喜んでいた。
 一方、小夜子は栗原の子供を産んだものの、栗原の素行の悪さから、家を出、サラ金に追われていた。剛は見合い相手の女に遊ばれたり、寺崎と再会したりする中、仲間うちに姿を見せた小夜子に会う為、アパートへ向かう。会えずに帰る道すがら、サラ金の取り立て人に追われ、子供を抱え逃げている小夜子を見つける。車の中に連れ込もうとするヤクザに剛とオカマたちは殴りかかり、雨の中の大乱闘となった。
 無事助け出した小夜子を剛はマンションに連れていく。愛おしく子供を見つめる剛は、子供と一緒にここにいるようにすすめる。結婚できなくても子供を欲しがるホモ=剛と、剛と一緒にいられるだけでいいと言うおこげ=小夜子。2人の肉体を越えた新しい愛が生まれつつあった。
 子供の手をとり歩く小夜子と剛。3人の姿が雑踏に消えていく。その姿はどこから見ても普通の夫婦と子供の家族に見えた。

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