スペイン公開:2004年03月19日
日本公開:2005年04月09日
製作国:スペイン
言語:スペイン語
画面:シネマスコープ
音響:DOLBY DIGITAL・DOLBY SR
上映時間:115分
映倫区分:R-15
配給・宣伝:ギャガGシネマ
【スタッフ】
監督:ペドロ・アルモドバル脚本:ペドロ・アルモドバル
製作:ペドロ・アルモドバル
アグスティン・アルモドバル
製作総指揮:エステル・ガルシア
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
美術:アントソン・ゴメス
編集:ホセ・サルセド
音楽:アルベルト・イグレシアス
衣装:パコ・デルガド
ジャン・ポール・ゴルチエ
【キャスト】
イグナシオ/アンヘル/サハラ:ガエル・ガルシア・ベルナルエンリケ・ゴデ:フェレ・マルティネス
パキート:ハビエル・カマラ
モニカ:レオノール・ワトリング
マノロ神父:ダニエル・ヒメネス・カチョ
ベレングエル氏:ルイス・オマール
母:ペトラ・マルティネス
イグナシオ(少年時代):ナチョ・ペレス
エンリケ(少年時代):ラウル・ガルシア・フォルネイロ
【ストーリー】
1980年マドリード。新進気鋭の青年映画監督エンリケ(フェレ・マルティネス)の元に、イグナシオと名乗る美青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)が訪ねてくる。その名は16年前にエンリケが少年時代を過ごした神学校寄宿舎での親友の名前。だが、エンリケはその青年にかつてのイグナシオの面影が見出せない。イグナシオはアンヘルという芸名の舞台俳優で映画の仕事を望んでいた。疑心暗鬼のエンリケにイグナシオは自作の脚本を渡し、もし映画化されたら出演したいと言い残して去る。そのタイトルは「訪れ」。脚本を読むにつれ、エンリケに少年時代の哀しみの記憶が蘇る。そこには彼らの少年時代の引き裂かれた悲劇が描かれていたのだ。天使のような声、真紅の唇、澄んだ瞳。少年時代のイグナシオ少年は聖歌隊に属し、寄宿学校の教師であるマノロ神父の一番のお気に入りの生徒だった。イグナシオは自由な思想を持つエンリケ少年にひかれ、二人は一途に恋心を抱くようになる。しかしマノロ神父はイグナシオを愛するエンリケを退学処分にしようとする。エンリケを救うためにイグナシオはマノロ神父に誓う「エンリケのためなら僕を…」。しかしエンリケの退学が決定。イグナシオの心は神も愛も失った…。
脚本を読み終えたエンリケは、台本に込められた想いに呼応するかのごとくすぐにイグナシオに映画化を約束。急速に接近する二人。しかし共通の思い出が符号しないなど、どうしても少年時代のイグナシオと目の前にいるイグナシオが同一人物だとは思えず、二人は決別する。事実を確かめようとイグナシオの故郷を訪ねたエンリケは、そこでイグナシオの死の事実を知る。ではいったいあのイグナシオを名乗る青年は誰なのか。イグナシオがエンリケに宛てたが届かなかった手紙に涙するエンリケ。「彼らに復讐するときが来た。これは僕たちの物語だ」。
数日後、再びエンリケの前に姿を現した”イグナシオ”は、主役のサハラ役のオーディションを受けさせてほしいと懇願する。女装のサハラの役作りのためウェイトを減らし、妖しいまでの美貌にさらに磨きがかかったイグナシオ。エンリケは彼がイグナシオでないことを知りながら彼の申し出を受け入れ、同時に、彼を愛人にする。イグナシオの名を語るアンヘルの真の目的は何なのか、16年前に別れ別れになった後、イグナシオに何が起きたのか、彼は最後に何を伝えたかったのか。映画化を心から望んで死んだイグナシオの真実を探るため、エンリケは自らの身を危険なゲームの中に投じていく。
映画『訪れ』の撮影が始まる。希望通りサハラ役を得た”イグナシオ”は熱演を見せるが、彼の真意は謎のままだった。
クランクアップの日、撮影現場でエンリケはベレングエルと名乗る男(ルイス・オマル)の訪問を受ける。彼こそかつてエンリケとイグナシオの仲を引き裂いたマノロ神父の現在の姿だった。そして彼は、”イグナシオ”が隠していた驚くべき真実を語り始める…。果たしてエンリケはイグナシオの真実を知ることができるのか。そしてイグナシオを語る青年は?イグナシオの最後の願いとは?