
日本公開:2009年08月01日
製作国:日本
言語:日本語
画面:ビスタサイズ
音響:ドルビーデジタル
上映時間:115分
年齢制限:G
配給:ワーナー・ブラザース映画
アニメーション制作:マッドハウス
助成:文化芸術振興費補助金
スタッフ
監督:細田守脚本:奥寺佐渡子
製作:堀越徹
丸田順悟
井上伸一郎
阿佐美弘恭
上木則安
西垣慎一郎
平井文宏
企画:丸山正雄
エグゼクティブプロデューサー:奥田誠治
プロデューサー:高橋望
伊藤卓哉
渡邊隆史
齋藤優一郎
原作:細田守
マッドハウス
日本テレビ放送網
角川書店
音楽:松本晃彦
主題歌:山下達郎『僕らの夏の夢』
編集:西山茂
撮影:増元由紀大
録音:小原吉男
音響効果:今野康之
美術監督:武重洋二
CGディレクター:堀部亮
色彩設計:鎌田千賀子
キャラクターデザイン:貞本義行
OZキャラクターデザイン:岡崎能士
岡崎みな
浜田勝
OZ美術デザイン:上條安里
作画監督:青山浩行
藤田しげる
濱田邦彦
尾崎和孝
アクション作画監督:西田達三
キャスト
小磯健二:神木隆之介篠原夏希:桜庭ななみ
池沢佳主馬:谷村美月
佐久間敬:横川貴大
陣内万理子:信澤三恵子
篠原和雄:佐々木睦
陣内太助:小林隆
陣内頼彦:田中要次
篠原雪子/陣内典子:谷川清美
陣内邦彦:中村橋弥
陣内理香:玉川紗己子
三輪直美:山像かおり
陣内理一:桐本琢也
陣内克彦:板倉光隆
池沢聖美:田村たがめ
陣内典子:金沢映子
陣内奈々:高久ちぐさ
陣内翔太:清水優
陣内了平:安達直人
陣内由美:仲里依紗
陣内真緒:諸星すみれ
陣内真悟:今井悠貴
陣内祐平:太田力斗
陣内加奈:皆川陽菜乃
陣内侘助:斎藤歩
池沢佳主馬の父:羽鳥慎一
陣内万助:永井一郎
陣内万作:中村正
陣内栄:富司純子
ストーリー
2010年7月。都内の高校に通う高校2年生の小磯健二は、唯一の特技だった数学のオリンピックに臨むも、日本代表になれずに肩を落としていた。なんの予定もない夏休みは、薄暗い物理室の部室で、同級生の佐久間敬と仮想世界OZの保守点検にただ勤しむばかりという日々。そんなある日、「バイトしない?」と明るい女性の声が飛び込んできた。声の主は、彼らの1年先輩、篠原夏希。その内容とは、来る8月1日に開かれる曾祖母・陣内栄の満90歳の誕生日会の手伝いに行くことであった。憧れの先輩の誘いに乗った健二は夏希と共に長野県上田市へ。そこは山間の広大な敷地に建つ、室町時代からの武家家計、陣内家の屋敷だった。早速、当主の栄に面通しとなった健二は、いきなり夏希から「私の彼。お婿さんになる人」と紹介される。思いがけない言葉に動揺する健二に、栄は「よろしくお願いいたします」と微笑んだ。実は健二が受けたこのバイト、近頃病気がちな栄を思って、夏希が考えた苦肉の策だったのだ。東大出で旧家の出身、おまけにアメリカ留学帰りという裏設定を聞いて、健二は「無理、無理!」と困惑するも、夏希に懇願され、顔を赤らめながら再び依頼を受けてしまうのだった。その日の夜、酒宴を囲む一家の前に思わぬ人物が現れた。侘助だった。曾祖父の隠し子であり、その後本家の養子に迎えられたという過去を持つ彼は、親戚一同にとってはまさに招かれざる客。動揺する一同をよそに、夏希だけは大喜びで侘助を迎え入れた。夏希にとって侘助は初恋の人。はしゃぐ彼女の姿に寝苦しい夜を迎えた健二は、誰からともなく届いたメールを開けてみた。それは暗号めいた数列が並ぶ不思議なメールだった。つい夢中になり、夜を徹して解答を導き出した健二だったが、翌日、驚くべきニュースを目にする。OZのシステムが大混乱、しかもその犯人が健二だというのだ。
慌てた健二は、佐久間に協力してもらい、仮アバターを獲得してOZにアクセスする。するとそこでは、健二のアバターを盗んだ何者か=偽ケンジが、まさにOZを混乱に陥れている最中だった。恐ろしく強い偽ケンジは、OZ内のアカウントを取りこみ始め、やがて後光を背負ったアジアの宗教偶像のごとく、恐ろしい形相の怪物に変貌していった。OZの混乱はより一層激しくなり、現実での日常のライフラインが狂い始め、日本の小惑星探査衛星機「あらわし」のコントロールまでもが怪しくなる。力を合わせればなんとか事態を打開できるのではないかと希望を語る健二と佳主馬に対し、「それは無理だね」と冷笑を帯びた声が食卓の脇から漏れた。侘助である。実は、OZを混乱に陥れている謎の怪物=ラブマシーンは侘助がアメリカの研究室で開発した特殊なハッキングAI(人工知能)だった。それを米国防総省が実証実験としてOZに紛れこませたのである。侘助としては栄に喜んでもらいたい一心で開発したAIだったが、栄はこれを聞いて激怒。侘助も失望と怒りで陣内家を後にする。憧れの侘助と栄の衝突に、意気消沈する夏希。同じく落ち着かない夜を明かした健二は翌朝、飼い犬ハヤテの吠え声と共に新たな衝撃を一家に見た。栄が死んだのである。
哀しみに沈む陣内家では、長女の万里子以下、女衆が栄の葬式の準備に気持ちが動き出すが、その一方、次男の万助はラブマシーンの撃退こそ栄の弔いになると主張。これに賛同した健二、理一、太助、佳主馬らの男衆は、万助が話してくれた徳川家撃退の封じ込め作戦=第二次上田合戦をモデルに、ラブマシーン討伐計画の行動に移る。電器店を営む太助は店から大学に納品予定の大型コンピュータを座敷に持ちこみ、万助はその電源を確保するためのイカ釣り漁船を新潟から搬送。自衛隊に勤める理一は、ミリ波通信用のアンテナモジュールを松本の駐屯地から借り入れ、OZ屈指の格闘技チャンプのキング・カズマこと佳主馬はラブマシーンとの戦いに備えて少林寺拳法の練習に余念がない。そして、OZ内にキング・カズマからラブマシーンへの果たし状が告知された。戦いを優位に進めながら、佳主馬はラブマシーンを上田城のごとき城郭のなかへ誘導し、閉じこめることに成功。すかさず屋敷内で水責めにしたが、コンピュータの熱暴走により、ラブマシーンを門外へ取り逃がしてしまう。OZのメイン棟から飛び出したラブマシーンは無数のアバターの集積により、巨大な翼を背負った悪鬼のごとき黒い巨人となっていた。キング・カズマは手もなくひねられ、画面上には残り時間2時間10分を示す不吉なカウントダウンが表示される。それは「あらわし」がGPS誘導により核施設に落ちるまでの残り時間であった。敗北感に包まれる一家。しかし、健二は「まだ負けていない」と希望を捨てなかった。その姿に勇気をもらった夏希は侘助に連絡を入れることに成功。死んだ栄への直接の別れ、ラブマシーン撃退の助力を懇願するのだった。
ラブマシーン撃退にいよいよ結束し始めた陣内一家は、栄の遺言状に従うように、まず全員で腹ごしらえの時間を持った。やがて健二により、花札勝負に持ちこむことでラブマシーンから盗まれたアカウントを奪回することが提案され、その勝負師として夏希が立つことになる。一方、屋敷に戻ってきた侘助には勝負の合間にラブマシーンの解体作業を依頼し、双方向から新たな討伐作戦が行われることになった。そして、ついにカジノ・ステージでラブマシーンVS.陣内家の大勝負が始まった。圧倒的に勝負強い夏希に、ラブマシーンは花札初心者同然に次々と勝負に敗退。このまま討伐されるのかと思いきや、焦った夏希の隙をつき、一気に形勢を逆転させる。呆然とする夏希。もはや地球は危機を避けられないのか。そのとき、ドイツの少年からアカウントを夏希の勝負に預けたいとの立候補が。彼だけではない。世界中から夏希に対してアカウントを差し出す申し入れが殺到。その想いの強さに打たれた夏希はついにラブマシーンに勝利する。歓喜に震える陣内一家。しかし、力を少し残していたラブマシーンは報復手段として「あらわし」を陣内家にぶつけようとする。再び混乱する一家を前に、今度は健二が持ち前の数学能力と火事場の馬鹿力でこの事態に立ち向かう。
健二はラブマシーンの暴走を阻止し、陣内家と世界を救えるのか? そして夏希との関係は??
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