Class of 1984
原題:Class of 1984
日本公開:1983年01月22日
製作国:カナダ
言語:英語
画面:ビスタサイズ
音響:ステレオ
上映時間:98分
配給:日本ヘラルド映画

【スタッフ】
監督:マーク・L・レスター
脚本:マーク・L・レスター
   ジョン・サクストン
   トム・ホランド
製作総指揮:マーク・L・レスター
      メリー・リン・ロス
製作:アーサー・ケント
撮影:アルバート・J・ダンク
編集:ハワード・クーニン
音楽:ラロ・シフリン

【キャスト】
アンディ・ノリス:ペリー・キング
ダイアン・ノリス:メリー・リン・ロス
ピーター・ステッグマン:ティモシー・ヴァン・パタン
テリー・コリガン:ロディ・マクドウォール
ドラッグストア:ステファン・アーングリム
アーサー:マイケル・J・フォックス
バーンヤード:キース・ナイト
パッツィ:リサ・ラングロワ
ファロン:ニール・クリフォード
デニーン:エリン・フランネリィ
ジミー:ジョセフ・ケリー

【ストーリー】
 エイブラハム・リンカーン高校――。
 自由と民主主義の祖ともいえるアメリカ第16代大統領の尊名を冠したこの高校は、今や荒廃の極に達していた。1984年は、”近い将来”ではなく”現代”である。学園暴力、という言葉すら生ぬるく聞こえるほどの無法が罷り通っていた。
 この地獄のような高校に赴任して来た音楽教師ノリス(ペリー・キング)は、初日早々信じられない光景を目撃する。彼に親しげに声をかけてきた生物教師コリガン(ロディ・マクドウォール)が、自衛用の拳銃を携帯していること。学校入口には、ガードマンが金属探知機で物々しく生徒たちを検問していること、それでも不良生徒たちは巧妙にナイフなどの凶器を校内に堂々と持ち込んでいること、校内の至るところにTVカメラが仕掛けてあり、生徒たちの行動を監視していること。
――全てが”教育の場”とはかけ離れていた。絶句し、怒りを感ずるノリスに、コリガンは「まあ、冷静に」と言うだけだった。そして、不良グループのリーダー、ステッグマン(ティモシー・ヴァン・パタン)は早くもこの新任の教師に敵意の眼を向けていた。
 ノリスの初の授業中、ステッグマンの配下であるバーンヤード、ドラッグストア、ファロン、紅一点パッシーが授業妨害を始めた。ノリスの注意にこの場はおさまったが、それはその後の”暴力の嵐”のプロローグにすぎなかった。
 この無法の高校にも真面目な生徒はもちろん居た。デニーン(エリン・フランネリィ)たちは、来たるべき音楽会のためのリハーサルをノリスの指導に従い真剣に行ってくれて、彼はつかの間の安らぎを覚えた。
 しかし、授業を終えて帰宅のため駐車場に来た彼は、自分の車に”クソ教師!”と白いペンキで乱暴にイタズラ書きがしてあったのを見て愕然とする。ステッグマンたちの仕業であることは想像に容易であった。この波乱の初日を終え、自宅に戻った彼は、愛する身重の妻に、今日の出来事を話した。”大変なところにやって来てしまった、しかし逃げるわけにはいかない”。そう決意を語る彼に、妻ダイアン(メリー・リン・ロス)は”危ないマネはしないで!”と嘆願するのだった。
 一方、ステッグマンたちは、高速道路下の空き地で、ヤクの売人派の連中と抗争に明けくれていた。ステッグマンの喧嘩慣れした身のこなしは、精悍な野獣を思わせた。その夜、教員名簿からノリスの家をつきとめたステッグマンたちは、ノリス夫妻に向かって、血ノリ入りの水鉄砲を浴びせた。真っ赤な血ノリを顔中浴びたノリス。ステッグマンたちの強烈な宣戦布告であった。
 ”次からは血ノリじゃ済まないぜ”。
 ステッグマンは、学園の外でも”帝王”であった。深夜のディスコの事務所にふんぞり返るステッグマンは、バーンヤードたちと共に、仲間入り志願の14歳の少年や、ヤク欲しさに売春婦志願の若い娘の”面接”をやっていた。
 翌日、デニーンたちと音楽会の練習の授業をやっていたノリスの教室にステッグマンは突然やって来て、俺もコンペティションの仲間に入れろと言い、いきなりピアノを弾き始めた…。これがノリスも驚くほどの名演奏であった。
 デニーンのボーイフレンドのアーサー(マイケル・J・フォックス)の友達であるジミー(ジョセフ・ケリー)は、ステッグマンたちの流しているヤクに冒されていた。トイレでヤクの受け渡しの現場をつきとめたノリスだがステッグマンに巧妙に切り抜けられた。しかも、ノリスの訴えに上司のモーガンソーは証拠不十分などで取り合わなかった。想像以上の荒廃と、ステッグマンの学園支配を思い知らされるノリスだった。
 数日して、ついに犠牲者が出た。ヤクでラリったジミーが、国旗掲揚のポールに錯乱してよじ登り、墜落死したのである。ノリスはジミーの友人だったアーサーに、原因はステッグマンのヤクであるという”勇気ある発言”を求めるが、アーサーは口をつぐんでしまうのだった。
 放課後、ノリスとコリガンは街角の路地裏でデニーンとアーサーを脅しているステッグマンたちを見つけ止めに入るが、逆にコリガンの手の甲に傷を負わせた。ステッグマンたちはいよいよノリスに対する本格的な攻撃を開始した。その夜、ノリスの車を焼き払ったのである。妻のダイアンは彼に学校を辞めるように哀願するがノリスは、既にステッグマンたちと対決する意志を固めていた。しかし、妻ダイアンだけは近日中実家に帰すことにした。
 翌日、自分の生物実験室に入ったコリガンは言葉を失った。可愛がっていた実験用動物たちが見るも無惨に吊るされ、引き裂かれて皆殺しにされていたのだ。怒りに身を震わせるコリガン。居合わせたノリスも同じだった。ノリスはステッグマンをトイレに連行し殴打、激しく詰め寄ったが、ステッグマンは不敵な微笑を浮かべ、自らの顔を洗面台やタオル・ディスペンサー、そして鏡に打ちすえたのだ。血だらけになるステッグマン。しかし平然と悪魔の微笑のまま、”これでどう見てもあんたがやったように見えるだろう。俺は被害者だぜ!”と言った。その通り、当局はノリスを”暴力教師”扱いにし、一向に彼の意見に取り合わなかった。リベラルな考え方の持ち主のノリスの心の奥にようやく”眼には眼を”の思想が芽生え始めた。彼がステッグマンの車をブチ壊し報復の第一歩を始めたのはそれから間もなくであった。
 ステッグマンは更に過激な手段に出た。学生食堂で配下を使ってワザと騒ぎを起こし、その混乱に乗じて、口封じのためアーサーを刺したのだった。
 生物教師コリガンは、実験動物惨殺事件から精神が錯乱し、遂に授業中、ステッグマンの部下たちに拳銃を向け、無理矢理質問に答えるように強いた。さすがに不良学生たちも彼の狂気に震え上がった。コリガンは、その夜、街にたむろするステッグマンたちに向かって車を狂走させたが、他の車と激突、炎上した。
 デニーンたちの音楽発表会がやってきた。コンダクトを持って舞台に立つノリスは、客席に目をやったが、妻の姿がまだ見えなかった。ちょうどその頃、ステッグマンたちは、ノリスの家を急襲し、盛装してこれから音楽会へ行こうとしていたダイアンを輪姦していたのだ。ステッグマンはダイアンを人質にして音楽会場へのりこんできた。もちろんノリスを罠にかけ一気に決着ををつけるためである。パッシーが強姦現場写真を舞台に立つノリスに届けた。ステッグマンの毒牙が妻にまで及んだ今、全面対決しかないとノリスは心に誓った。殺るか殺られるか。獣を狩るためには、獣にならなければならない。ノリスはコンダクトを抛りなげて駆けだした。ノリス対ステッグマンたちの血みどろの死闘の幕が切って落とされた。木工室に追いつめられた奴は電動ノコギリにかけられ、ガレージに追いつめられた奴はガソリンで焼かれ、1人また1人と、残忍な処刑がノリスの手によって加えられていった……。
 そして音楽会場の屋根裏での、ステッグマンとの対決をむかえた……。

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