WILD AT HEART
原題:WILD AT HEART
日本公開:1991年01月15日
製作国:アメリカ
言語:英語
画面:パナビジョン
音響:ドルビーステレオ
上映時間:124分
配給:KUZUIエンタープライズ
   ブランディローズ

【スタッフ】
監督デヴィッド・リンチ
脚本デヴィッド・リンチ
製作総指揮:マイケル・カーン
製作:モンティ・モンゴメリー
   スティーヴ・ゴリン
   シガージョン・サイヴァッツォン
原作:バリー・ギフォード(文春文庫版)
撮影:フレデリック・エルムズ
編集:デュウェイン・ダンハム
美術:パトリシア・ノリス
プロダクション・マネージャー:クール・マーダー
キャスティング:ジョアンナ・レイ
サウンド・デザイン:ランディ・トム
音楽:アンジェロ・バダラメンティ

【キャスト】
セイラー・リプリー:ニコラス・ケイジ
ルーラ・ペース・フォーチューン:ローラ・ダーン
マリエッタ・フォーチューン:ダイアン・ラッド
ボビー・ペルー:ウィレム・デフォー
ペルディタ・デュランゴ:イザベラ・ロッセリーニ
ジョン・ファラガット:ハリー・ディーン・スタントン
デル:クリスピン・グローヴァー
ファナ:グレース・ザブリスキー
マルセロ・サントス:J・E・フリーマン
レジナルド・スーラ:カルヴィン・ロックハート
アンクル・プーチ:マーヴィン・カプラン
<ミスター・となかい>:W・モーガン・シェパード
ドロップ・シャドー:デヴィッド・パトリック・ケリー
交通事故の女性:シェリリン・フェン
ポージス・スプール:ジャック・ナンス
良い魔女:シェリル・リー
スパーキー:ジョン・ルーリー
”ザンジバル”の歌手:ココ・テイラー

【受賞歴】
1990年 第43回カンヌ国際映画祭:パルムドール受賞

【ストーリー】
 セイラー・リプリー(ニコラス・ケイジ)は、恋人ルーラ・ペース・フォーチューン(ローラ・ダーン)の目の前で、一人の黒人を殺してしまう。男がナイフを手に「ルーラのお袋とやろうとしただろう」と因縁をつけてきたのがきっかけだったが、男は明らかにルーラの母親マリエッタ(ダイアン・ラッド)の差し金だった。マリエッタの娘に対する愛情は偏執狂的で、セイラーとルーラを引き離すためなら、手段を選ばなかったのだ。
 22ヵ月と18日後、刑務所を保釈になったセイラーはルーラを連れて、マリエッタの呪縛から逃れるため、カリフォルニアへの旅に出る。
 マリエッタは恋人の私立探偵ジョニー・ファラガット(ハリー・ディーン・スタントン)に二人を追跡するように頼む。マリエッタはセイラーを凶暴な人殺しと決めつけ、ジョニーも押し切られて彼女の依頼を引き受ける。
 激しいセックスとヘヴィ・メタルに彩られたセイラーとルーラの逃避行は、情熱的な歓喜に満ちている。しかし、13歳の時に父親の仕事仲間に犯されたルーラの記憶、「オズの魔法使い」の<悪い魔女>となって現れるマリエッタの幻影、精神に異常をきたしていたルーラの従兄デル(クリスピン・グローヴァー)の思い出、そうしたイメージが二人の幸福を、どこかしら歪んだものにしていた。
 ジョニーの追跡がはかどらないことに苛立ったマリエッタは、かつての恋人で暗黒街に通じているマルセロ・サントス(J・E・フリーマン)に相談を持ちかける。サントスは、セイラーを捜し出して殺すことを約束するが、それには条件があった。同時にジョニーも殺さなければならないというのだ。セイラーを殺すためには、暗黒街の大立者<ミスターとなかい>(W・モーガン・シェパード)の力を借りなければならない。ジョニーは二人を追ううちに、<ミスターとなかい>の存在を嗅ぎつけてしまうだろうとサントスは言った。マリエッタは必死でサントスを止めるが、もう後戻りはできなかった。
 サントスは<ミスターとなかい>と連絡をとり、<ミスターとなかい>は殺し屋を集める。ジョニー殺しのために集まったのは、色情狂のファナ(グレース・ザブリスキー)とレジナルド・スーラ(カルヴィン・ロックハート)、その子分のドロップ・シャドー(デヴィッド・パトリック・ケリー)だった。ジョニーを追ってマリエッタはニューオリンズへ急行するが時すでに遅く、ジョニーは殺し屋たちによって拉致され、儀式めいたグロテスクなやり方で惨殺される。
 旅を続けるセイラーは、ルーラに二つのことを告白する。一つは火事で焼け死んだルーラの父親を生前から知っていたということ、もう一つはかつて自分がサントスの運転手であり、父親が焼け死ぬ現場を見張るようサントスに命じられていたということだった。それはルーラの父親の死が事故死ではなく、殺人であったことを意味していた。ルーラを犯した男もまた自動車事故で死んでおり、これらの死に不気味な影を落としているのはサントスの存在だった。
 セイラーはテキサス州のビッグツナという町へと車を走らせる。サントスのもとにいるペルディタ・デュランゴ(イザベラ・ロッセリーニ)から、自分を殺す指令が出ていないかどうかを聞き出すためだ。ペルディタは、ルーラの父を殺したのはサントスとマリエッタだと告げるが、セイラーを殺す指令については何も知らないと答える。
 安いモーテルを渡り歩く二人は、ボビー・ペルー(ウィレム・デフォー)という謎めいた男と出会う。黒づくめで細いヒゲを生やし、歯は歯茎まで擦り減っているという異様な外観の男だが、奇妙なカリスマ性と親しげな雰囲気を漂わせて、セイラーたちに接近して来る。
 やがてルーラは自分が妊娠したことに気づく。やっとの思いで告白したルーラを、セイラーはできる限りの愛情で優しく受け止めるが、妊娠という現実を前に、二人の心は大きく揺れ動く。
 ボビー・ペルーはそんな不安につけ込むようにセイラーを銀行強盗に誘う。セイラーの手元には、もう40ドルしか残っていなかった。父親になることに大きな不安を感じていたセイラーは、誰も傷つけないというボビー・ペルーの言葉を信じて、銀行強盗に参加すると約束してしまう。
 しかし、ボビー・ペルーはセイラーを狙う殺し屋の一人であり、ペルディタはボビー・ペルーの情婦だった。セイラーは、ボビー・ペルーの仕組んだ危険なゲームに引きずり込まれてしまったのだ。
 銀行強盗の決行当日、ボビー・ペルーを乗せた車をペルディタが運転して来たのを見て、セイラーは動揺するが、計画は中断できない。セイラーは不安なルーラを残し、カタストロフが待ち受ける暴力の世界へと足を踏み入れる……。

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