THE TRUTH
原題:LA VERITE
英題:THE TRUTH
日本公開:2019年10月11日
製作国:日本・フランス
言語:フランス語
画面:ビスタ
音響:5.1chデジタル
上映時間:108分
映倫区分:G
提供:ギャガ、フジテレビジョン、AOI Pro.
配給:ギャガ

【スタッフ】
監督:是枝裕和
脚本:是枝裕和
編集:是枝裕和
製作:ミュリエル・メルラン
   マチルド・インセルティ
   福間美由紀
撮影:エリック・ゴーティエ
美術:リトン・デュピール=クレモン
音楽:アレクセイ・アイギ
録音:ジャン・ピエール・デュレ
衣裳:パスカリーヌ・シャヴァンヌ

【キャスト】
ファビエンヌ・ダンジュヴィル:カトリーヌ・ドヌーヴ
リュミエール:ジュリエット・ビノシュ
ハンク・クーパー:イーサン・ホーク
アンナ・ルロワ:リュディヴィーヌ・サニエ
シャルロット:クレモンティーヌ・グルニエ
マノン・ルノワール:マノン・クラヴェル
リュック:アラン・リボル
ジャック:クリスチャン・クラエ
ピエール:ロジェ・ヴァン・オール

【ストーリー】
 自伝の出版を控える、国民的大女優のファビエンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、パリの瀟洒な自宅で取材を受けていた。その態度は気ままで不遜、今撮影中の映画『母の記憶に』について聞かれても、「あれは大した映画じゃないわよ」の一言で片づける。
 そこへ、ニューヨークで脚本家をしている娘のリュミエール(ジュリエット・ビノシュ)が、テレビ俳優として売れ始めた夫のハンク(イーサン・ホーク)と、7歳になる娘のシャルロット(クレモンティーヌ・グルニエ)を連れて訪ねてくる。3人を迎えるのは、長年にわたってファビエンヌの秘書を務めるリュック(アラン・リボル)と、現在のパートナーで”料理担当”のジャック(クリスチャン・クラエ)だ。
 出版のお祝いに来たはずが、事前に原稿を見せる約束を破棄したと詰め寄るリュミエールに、ファビエンヌは送ったわよと、平気で嘘をつく。ちょうどその時、出版社から刷り上がった自伝本が届く。本のタイトルは「真実」。
 一晩で読み終えた「真実」を携えたリュミエールは、翌朝、明らかに不機嫌な様子で母を捜す。庭で台詞を覚えていたファビエンヌに、「この本のどこに”真実”があるのよ」とかみつくリュミエール。昔、小さな娘を学校まで迎えに行ったというくだりに、「そんなこと一度もなかった」と息巻くリュミエールに、平然と「事実なんて退屈だわ」と言い放つファビエンヌ。だが、「何で一度もサラおばさんの名前が出てこないの?」と問われたファビエンヌは、ライバルで親友だった「サラ」の名を耳にした途端、顔を曇らせる。
 「うしろめたいんだ」と捨て台詞を吐いたものの、治まらない怒りをリュックにぶつけるリュミエール。ファビエンヌはサラが亡くなってからずっと、彼女のことを意識していて、今度の映画も”サラの再来”と評判の新進女優マノン(マノン・クラヴェル)が主演だから引き受けたのだ、とリュックは説明する。
 そんな風にファビエンヌのすべてを把握しているリュックが、突然の辞職を宣言。自伝に1行も自分のことが書かれていなかったことから「人生を否定された」と嘆き、秘書の役目をリュミエールへと託すのだった。
 翌朝、今度はファビエンヌの元夫でリュミエールの父、ピエール(ロジェ・ヴァン・オール)が現れる。自伝への出演料をもらってもバチは当たらないだろうと聞き直る父に、リュミエールは「パパはもう死んだことになっている」と教えてやるのだった。
 付き人として、母の撮影に同行するリュミエール。共演相手のマノンは、リュミエールが母親のように慕っていたサラと確かによく似ていた。二人を見守るうちに、母が「真実」に書かなかったエピソードが次々と蘇えるリュミエール。その夜、リュミエールはどうしても許せないある重大な”秘密”を、家族の前でファビエンヌに突きつけるのだが――。