THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
原題:THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
米国公開:2008年12月25日
日本公開:2009年02月07日
製作国:アメリカ
言語:英語
画面:シネマスコープサイズ
音響:SRD・DTS・SDDS
上映時間:167分
年齢制限:G
配給:ワーナー・ブラザース映画

【スタッフ】
監督デヴィッド・フィンチャー
脚本エリック・ロス
原案エリック・ロス
   ロビン・スウィコード
原作:F・スコット・フィッツジェラルド
製作:キャスリーン・ケネディ
   フランク・マーシャル
   セアン・チャフィン
撮影:クラウディオ・ミランダ
美術:ドナルド・グレイアム・バート
編集:カーク・バクスター
   アンガス・ウォール
衣装:ジャクリーン・ウエスト
音楽アレクサンドル・デスプラ
特殊メイク効果:グレッグ・キャノム

【キャスト】
ベンジャミン・バトン:ブラッド・ピット
デイジー・フューラー:ケイト・ブランシェット
エリザベス・アボット:ティルダ・スウィントン
トーマス・バトン:ジェイソン・フレミング
ムッシュ・ガトー:イライアス・コティーズ
キャロライン・フューラー:ジュリア・オーモンド
7歳のデイジー:エル・ファニング
クイニー:タラジ・P・ヘンソン
ドロシー・ベイカー:フォーン・A・チェンバーズ
キャロライン・バトン:ジョーアンナ・セイラー
ティジー:マハーシャラルハズバズ・アリ
マイク船長:ジャレッド・ハリス
ベンジャミン(1935-1937年):トム・エヴェレット
ベンジャミン(1932-1934年):ロバート・タワーズ
12歳のベンジャミン(1991年):スペンサー・ダニエルズ
8歳のベンジャミン(1995年):チャンドラー・カンタベリー
6歳のベンジャミン(1997年):チャールズ・ヘンリー・ワイソン
セオドア・ルーズベルト:エド・メッツガー
11歳のデイジー:マディセン・ベイティ
グランマ・フューラー:フィリス・サマーヴィル
プレザント・カーティス:ジョシュ・スチュワート
デイジーの友人:ビアンカ・チミネロ
説教師:ランス・E・ニコルズ

【受賞歴】
第81回アカデミー賞13部門ノミネート:監督賞/主演男優賞/助演女優賞/美術賞/撮影賞/衣装デザイン賞/編集賞/メイクアップ賞/音楽賞/録音賞/視覚効果賞/脚色賞

【ストーリー】
<誕生>「私はベンジャミン・バトン変わった境遇で生まれてきた」

 1918年、ニューオーリンズ。第一次世界大戦が終わり、人々が喜びに輝き、街は活気に満ち溢れていた夜、黒人女性クイニー(タラジ・P・ヘンソン)は、置き去りにされた赤ん坊を拾う。ベンジャミン(ブラッド・ピット)と名付けられたその男の子は、すぐにクイニーが営む施設の老人たちの中に溶け込んでいった。なぜなら彼は、80歳の肉体で生まれてきたからだ。
 ”母親”クイニーの惜しみない愛情に包まれて、ベンジャミンは成長していった。車椅子から立ち上がって歩き出し、しわが減り、髪が増え……そう、ベンジャミンは日に日に若返っていったのだ。

<出逢い>「あなたみたいな人は、初めてよ」

 1930年、感謝祭。その日、ベンジャミンは、将来自分の人生を変えることになる少女と出逢う。施設の入居者のフラー夫人を訪ねてきた孫娘、6歳のデイジーだ。ふたりはすぐに心を通わせ、ベンジャミンは自分の秘密を打ち明けるが、デイジーはそのことを既に魂で感じていた。
 ある日、ベンジャミンは「働かないか」と誘われてマイク船長(ジャレッド・ハリス)の船に乗り、さまざまな”初めて”を体験する。海、労働、女性、帰り道に声をかけられた男と飲んだ酒。男の名はトーマス・バトン(ジェイソン・フレミング)、ボタン製造会社のオーナーだ。実は彼こそが、ベンジャミンを捨てた父親だった。出産直後に亡くなった妻との、息子を守るという約束を果たせず後悔の日々を送っていたトーマスだが、ベンジャミンに真実を語る勇気はなかった。

<旅立ち>「どこへ行っても、必ずそこから葉書を出すよ」

 人生の最後を静かに送る老人たちは、ベンジャミンにさまざまなことを伝えては、この世を去っていく。中でもピアノを教えてくれた老婦人の言葉は、ベンジャミンの心に深く刻まれる。「人は皆、愛する人を失うものよ。失って初めて大切さがわかるの」
 1936年、ベンジャミンは、外の世界へ旅立つことを決意する。皆に別れを告げ、デイジーには葉書を書くと約束して、再びマイク船長と共に海へ出る。
 フロリダ、ニューファンドランド、グラスゴー、リバプール……そしてロシアで、ベンジャミンは初めての恋におちる。相手は英国のスパイの妻、エリザベス・アボット(ティルダ・スウィントン)。初めて知ったくちづけ、そして男として愛される幸せ。だが、その恋は短命だった。1941年、太平洋戦争が始まり、エリザベスは消え、ベンジャミンの船は戦争に駆り出される。

<帰還>「またここで逢えるなんて、まさに運命ね」

 マイク船長、そして共に戦った男たちの死を見届けるベンジャミン。1945年、戦争は終わり、夢半ばで散った彼らの想いを胸に、ベンジャミンは家に帰る。まもなく彼は、すっかり美しく成長したデイジー(ケイト・ブランシェット)と再会する。彼女は、ニューヨークでモダン・バレエのダンサーとして活躍していた。自分の魅力を知っているデイジーはベンジャミンを誘惑するが、彼女を大切に想うベンジャミンは「君はまだ若い」となだめるのだった。
 そして、トーマスは遂に自分が父親だと、ベンジャミンに打ち明ける。不治の病で余命わずかのトーマスは、ベンジャミンの母親との幸せな思い出を語り、ボタン工場や屋敷など全財産を譲りたいと申し出る。少なからぬショックを受けて、その場は「僕の家に帰る」と立ち去るが、父の最期の時間にそっと寄り添うベンジャミン。彼を湖の別荘へ連れて行き、子ども時代の大切な思い出だという日の出を見せてやるのだった。

<愛、そして>「私たち、人生の中間点で、やっと互いに追いついたわ」

 父親を見送ったベンジャミンは、ニューヨークのデイジーを訪ねる。ダンサーとして絶好調で、新しい恋人や仲間に囲まれたデイジーは、ベンジャミンを冷たくあしらう。しかし、公演旅行で世界中を旅するデイジーの心の片隅には、いつもベンジャミンがいた。
 パリ公演のリハーサル中、デイジーに思わぬ災難が降りかかる。タクシーに轢かれ、二度と踊れない体になってしまったのだ。ベンジャミンはすぐに病院へ駆けつけるが、デイジーは「こんな姿を見せたくない」と、彼の優しさを拒絶する。
 1962年、出逢いの喜びと別れの悲しみ、愛と孤独を知った人生のちょうど真ん中で、遂にほぼ同じ年齢を迎えたふたりは結ばれる。まるでそう決まっていたかのように自然に、情熱的に、ダンス教室を開いてまもなくデイジーは妊娠、女の子を出産する。愛に満ちた幸せな日々の中で、ふたりは恐れ始める。やがてまた、時に引き裂かれることを。日に日に若返るベンジャミンは、こんな自分では父親になれないと悩み、ある決意をするのだが……。

 果たしてふたりは、時に打ち勝つ愛を、見つけることができるのか――—?