
日本公開:2005年08月20日
製作国:フランス
言語:フランス語
画面:ビスタ
音響:ドルビー
上映時間:90分
映倫区分:R-15
製作:フィデリテ
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
【スタッフ】
監督:フランソワ・オゾン脚本:フランソワ・オゾン
エマニュエル・ベルンエイム
製作:オリヴィエ・デルボス
マルク・ミソニエ
撮影:ヨリック・ル・ソー
音楽:フィリップ・ロンビ
音響:ジャン=ピエール・デュレ
キャスティング:アントワネット・ブーラ
編集:モニカ・コールマン
ミキサー:ジャン=ピエール・ラフォルス
衣装:パスカリーヌ・シャヴァンヌ
ラインプロデューサー:マリー=ジャンヌ・パスカル
【キャスト】
マリオン:ヴァレリア・ブルーニ=テデスキジル:ステファン・フレイス
ヴァレリー:ジェラルディーヌ・ペラス
モニク:フランソワーズ・ファビアン
クリストフ:アントワーヌ・シャピー
ベルナール:マイケル・ロンズデール
マチュー:マルク・ルシュマン
【ストーリー】
書類2枚へのサインで、2人のラブ・ストーリーは終わるはずだった。しかし、離婚手続きを終えたマリオンとジルは、小さなホテルの薄暗い廊下を歩いていた。離れていた時間を埋められるとでも思ったのか、2人は性急に肌を重ねる。だがその虚しい錯覚に気づいたのは、マリオンの方だった。拒絶するマリオンを、無理やり押さえつけるジル。マリオンの大きな瞳から、最後の未練が一筋の涙になって流れ落ちた。
服を着て、立ち去ろうとするマリオンに、ジルは「君の勝ちだ」と言い放つ。「勝ち負けじゃない。終わっただけよ」と返すマリオンに、「やり直せないか?」と問いかけるジル。見知らぬ他人を見るような一瞥を投げかけたマリオンは、ジルを残し、黙ってドアを閉めて出て行く。
その日、マリオンとジルは、ジルの兄のクリストフをディナーに招く。少し遅れて、ゲイのクリストフの新しい恋人、マチューも到着する。
まだ若いマチューの浮気話に触発されたジルが、突然口を開く。「普通の夫婦の不倫話を聞きたいだろ?」 それは、マリオンと参加したパーティが、真夜中過ぎに乱交パーティに変わったという話だった。ジルは、見ているだけの彼女の前でその輪に加わり、男とも関係を持ったと語る。ディティールの説明に心を砕き、次第に口調が得意気に変わるジルと、徐々に顔から表情が消えてゆくマリオン。
酒が見せた一夜の幻が、言葉の力を借りて残酷な現実に変わった瞬間、マリオンの艶やかな瞳から、信頼が一滴の涙になって零れ落ちた。
マリオンの出産は予定より早まり、しかも帝王切開になった。知らせを受けたジルは「すぐに行く」と答えたものの、ぐずぐずと時間をつぶし、病院に着いたのは、出産後3時間も経ってからのことだった。保育器に入れられた未熟児の息子を、マリオンの母モニクに責められながら見ているうちに、気分が悪くなってしまうジル。
結局ジルはマリオンに会わずに病院を出てしまう。夜遅く、車の中からようやくマリオンの携帯に電話をかけるジル。「なぜ帰ったの?」「分からない。ごめん……」 病院で痛みも喜びも分かち合わずに、離れた所から「愛してる」というジルの声が耳に届いた時、マリオンの真っ直ぐな瞳から、希望が、滲む涙になって目尻に消えた
真っ白なウェディングドレスに身を包んだマリオンは、どこから見ても一点の曇りもない幸せに包まれた花嫁だった。披露宴の席で踊り疲れたマリオンとジルは、抱き合いもつれ合いながらホテルの部屋へ入る。しかし、マリオンがバスルームでドレスを脱いでベッドに戻ると、ジルは酔いつぶれて眠ってしまった。
宙ぶらりんの気持ちのまま、庭に出たマリオンは、ホテルの宿泊客であるアメリカ人の青年に声をかけられる。タバコを1本一緒に吸って、部屋に戻ろうとするマリオンを強引に引き寄せる男。逃れようとするマリオンの手は、やがて男の顔を引き寄せた。
マリオンが息を弾ませて部屋に戻ると、ジルは熟睡していた。安心したマリオンの笑顔が似合う唇から、ジルの頬に「好きよ」という言葉が、花びらのように舞い散った。
ジルは恋人のヴァレリーと共にカリプソで夏の休暇を楽しんでいた。しかし付き合って4年、2人は互いへの不満が、少しずつ形になり始めていた。ジルは海で、仕事上の知人の若い女性、マリオンとバッタリ出会う。友達が急に予定を変更したため、一人旅だというマリオンを、ジルは夕食に誘った。
無垢な瞳にはにかんだ優しい笑顔。そんなマリオンが恋人と別れたばかりだと聞いた時、ジルは彼女に惹かれ始めたことを意識する。
翌朝、山登りのヴァレリーと別行動をとったジルが海岸に出ると、マリオンが日光浴をしていた。他愛のないおしゃべりを始める2人。やがて2人は海に入り、幸せな未来へ、輝く明日へと、肩を並べて泳ぎ始める……。