Nuovo Cinema Paradiso
原題:Nuovo Cinema Paradiso
日本公開:1989年12月16日
製作国:イタリア/フランス
言語:イタリア語
画面:ビスタサイズ
音響:ドルビー
上映時間:155分
     124分(国際版)
     170分(ディレクターズカット版)
提供:フジテレビジョン
   ヘラルド・エース
   俳優座シネマテン
配給:ヘラルド・エース
   日本ヘラルド映画

【スタッフ】
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本:ジュゼッペ・トルナトーレ
製作総指揮:ミーノ・バルベラ
製作:フランコ・クリスタルディ
共同製作:リッカルド・カネーヴァ
     アレクサンドル・ムヌーシュキン
撮影:ブラスコ・ジュラート
編集:マリオ・モッラ
美術:アンドレア・クリザンティ
衣装:ベアトリーチェ・ボルドーネ
メイク:マウリツィオ・トラーニ
音楽:エンニオ・モリコーネ
   アンドレア・モリコーネ『愛のテーマ』

【キャスト】
アルフレード:フィリップ・ノワレ
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(少年期):サルヴァトーレ・カシオ
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(青年期):マルコ・レオナルディ
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(中年期):ジャック・ペラン
エレナ(若年期):アニェーゼ・ナーノ
エレナ(中年期):ブリジット・フォッセー
マリア(中年期):アントネラ・アッティーリ
マリア(壮年期):プペラ・マッジオ
アデルフィオ神父:レオポルド・トリエステ
スパッカフィーコ(パラダイス座支配人):エンツォ・カナヴェイル
イグナチオ(劇場の案内人):レオ・グロッタ
鍛冶屋:タノ・チマローサ
アンナおばさん:イサ・ダニエリ
広場をうろつく男:ニコラ・ディ・ピント
リア:ロベルタ・レーナ
ペッピーノの父親:ニーノ・テルツォ

【ストーリー】
 1980年代のローマ。成功した中年の映画監督、サルヴァトーレ・ディ・ヴィータは夜遅く帰宅した。彼の留守中、故郷のシチリアにいる母親から電話がかかっていた。アルフレードが死んだという伝言だった。
 アルフレードという懐かしい名前を聞いただけで、サルヴァトーレの脳裏には故郷のシチリアのジャンカルド村での少年時代の記憶が、まざまざとよみがえった――白くて埃っぽい広場、教会、そして少年のサルヴァトーレを魅了した映画館、パラダイス座。そしてパラダイス座の映写技師アルフレード。
 当時、トトと呼ばれていた少年のサルヴァトーレは、母親のマリアと妹の三人暮らしだった。父親は第二次世界大戦後もロシア戦線から帰還していなかった。幼いトトを夢中にさせたもの、それは映画だった。
 映画館はジャンカルド村の唯一の娯楽の場だった。村の人々は、パラダイス座で上映される喜劇に笑い転げ、メロドラマに泣いた。
 パラダイス座は、教会が信者に娯楽を提供するために運営する映画館だったので、風紀の維持につとめる司祭は、客席にただひとり腰かけ、キス・シーンになると鈴を鳴らし、鈴の音を聞いたアルフレードは、フィルムのキス・シーンの箇所に紙切れを挟み、あとでカットした。そんなふうにラブ・シーンのないラブ・ストーリーにさえ酔い痴れるほど、人々は映画を心から愛していた。しかし、トトを心から魅了したのはパラダイス座の映写室であり、魔術師のように映写機を操る映写技師のアルフレードだった。
 トトは、いつも映写室に入り込む機会を窺っていた。しかし、根はやさしいがぶっきらぼうのアルフレードは、いつも映写室からトトを追い出そうとするのだった。その頃のフィルムは可燃フィルムであり、危険だったからだ。だが、トトは、決して諦めず、アルフレードと巧妙な取引をして、この聖域に入り込んだ。映写室でトトは、司祭の検問でカットされたシーンのフィルムを集めた。それは禁じられたキスや抱擁のシーンであり、こうしたフィルムの断片はトトの宝物であった。
 ある日、パラダイス座では喜劇王トトの主演映画『ヴィッジュの消防士たち』が上映されていた。だが、突然フィルムに火がつき、パラダイス座は、瞬く間に火に包まれた。トトの懸命の努力によってアルフレードは一命を取り留めたが、火傷がもとで失明してしまう。
 パラダイス座は再建された。そして失明したアルフレードに代わって、トトが新しい映画館の映写技師となった。時代は変わった。シルヴァーナ・マンガーノ主演の『アンナ』のキス・シーンは、もはやカットされることはなかった。そしてロジェ・ヴァディム監督の『素直な悪女』では、ブリジッド・バルドーの裸体が堂々とスクリーンに映写された。フィルムも不燃性になり、もはや火事の危険はなかった。
 立派な青年に成長したトトは8ミリカメラの撮影に夢中になる。そんなある日、彼は、銀行家の娘エレナに恋をした。彼はエレナに愛を告白し、彼女の愛を得ようと、雨の日も風の日もエレナの家の下に立っていた。新年を迎えた夜、突然エレナは、トトに会いに映写室にやってきた。初めて唇を合わせる二人。
 トトとエレナは、幸福な夏を過ごした。だがエレナの父親は、二人の恋愛を認めようとはしなかった。エレナの一家はパレルモに引っ越し、トトはローマで兵役についた。除隊後、ジャンカルド村に帰ったトトの前にエレナは二度と姿を現さなかった。
 アルフレードに勧められてトトは故郷のシチリアを後にした。それから30年の年月が経っていた。葬儀に出るために戻った懐かしいジャンカルド村では、彼が少年時代の大半を過ごしたパラダイス座は廃館となり、駐車場に姿を変えようとしていた。荒れ果てたパラダイス座で物思いに耽るサルヴァトーレ。
 サルヴァトーレは、アルフレードの形見のフィルム缶を手にしてローマに戻った。試写室でフィルムが映写される。そのフィルムは、検問でカットされたキス・シーンを一本に繋いだものだった。