Capote
原題:CAPOTE
米国公開:2005年09月30日
日本公開:2006年09月30日
製作国:アメリカ合衆国
言語:英語
画面:スコープサイズ
音響:SRD・SR
上映時間:114分
配給:SPE

【スタッフ】
監督:ベネット・ミラー
脚本:ダン・ファターマン
原作:ジェラルド・クラーク
製作:キャロライン・バロン
   マイケル・オホーヴェン
   ウィリアム・ヴィンス
製作総指揮:ダン・ファターマン
      フィリップ・シーモア・ホフマン
      ケリー・ロック
      ダニー・ロセット
共同製作:カイル・マン
     デイヴ・ヴァロー
     エミリー・ジフ
     カイル・アーヴィング
ライン・プロデューサー:ジャック・メセ
撮影:アダム・キンメル
美術:ジェス・ゴンコール
衣装:カシア・ワリッカ=メイモン
編集:クリストファー・テレフセン
音楽:マイケル・ダナ

【キャスト】
トルーマン・カポーティ:フィリップ・シーモア・ホフマン
ネル・ハーパー・リー:キャサリン・キーナー
ペリー・スミス:クリフトン・コリンズ・Jr
ディック・ヒコック:マーク・ペルグリノ
アルヴィン・デューイ:クリス・クーパー
ジャック・ダンフィ:ブルース・グリーンウッド
ウィリアム・ショーン:ボブ・バラバン
マリー・デューイ:エイミー・ライアン
ローラ・キニー:アリー・ミケルソン
刑務所の所長:マーシャル・ベル
ロイ・チャーチ:R・D・レイド
リチャード・アヴェドン:アダム・キンメル

【ストーリー】
 1959年11月15日、カンザス州ホルカム。畑に囲まれた一軒の屋敷に、ひとりの少女が友達を訪ねてやってきた。しかし、そこに人の気配はなく屋内は不自然なほど静まり返っている。不審に思った少女が2階の友人の部屋へ行ってみると、そこには信じ難い凄惨な光景が…。
 翌日のニューヨーク。前年に発表した小説「ティファニーで朝食を」で作家としての名声を高めたトルーマン・カポーティ(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、ニューヨーク・タイムズに掲載された記事に目をとめる。カンザス州で農業を営む裕福なクラッター家の一家4人の惨殺事件。家長は喉をかき切られ、他の者は手足を縛られ顔面を銃で撃たれるという凄惨きわまりない手口。カポーティはこの事件にショックを受けると同時に、これを文章にしたいという欲求に駆られていた。ニューヨーカー誌の編集者ウィリアム・ショーン(ボブ・バラバン)に許可をとりつけ、幼なじみで良き理解者であるネル・ハーパー・リー(キャサリン・キーナー)を伴い、彼は取材のためにカンザスへと向かう。
 まず足を運んだのは警察の記者会見場。捜査部長のアルヴィン・デューイ(クリス・クーパー)は仕事人タイプで、一筋縄ではいかない人物に見えた。そのうえ都会では有名人で同性愛者であることも受け入れられるカポーティだったが、田舎町では名声も役に立たず、人々の目には背の低い風変わりな男にしか映らない。それでもネルの奔走のおかげで、カポーティは発見者の少女ローラ(アリー・ミケルソン)との面会に成功。自分が他人と違うことで子供のころから厳しい目を向けられていたと打ち明けて彼女の信用を得て、ローラの友人だった被害者ナンシー・クラッターの日記を見せてもらった。
 翌日、思わぬことで事態は好転する。デューイの妻マリー(エイミー・ライアン)がカポーティの作品のファンであったことから、彼とネルはデューイ家の夕食の招待を受けた。ハリウッドでの映画製作時の体験や子供のころの話をして夫妻を和ませたカポーティに、デューイはむごたらしい殺人現場の写真を見せる。カポーティは、犯人はなぜこれから射殺する少年の頭の下にわざわざ枕を置いたのかと、不思議に思うのだった。クラッター家の人々はデューイの友人でもあり、彼は悲壮な決意を胸に秘めて捜査に当たっていた。その夜遅く、ネルのもとに、彼女の小説「アラバマ物語」が出版されるとの連絡が。彼女とカポーティは、ひととき事件を忘れて、これを祝う。
 12月30日、事件は大きな転機を迎えた。容疑者ペリー・スミス(クリフトン・コリンズ・Jr)とリチャード・”ディック”・ヒコック(マーク・ペレグリーノ)が逮捕されたのだ。年が明け、カポーティは保安官住宅を訪ね、拘置されているペリーと面会。多くを語らぬ彼の不思議な魅力にカポーティは惹きつけられ、その後も足しげく通っては信頼を勝ち取り、有名なフォトグラファー、リチャード・アヴェドンに写真を撮らせるに至った。
 判決の日。陪審員は全員一致で有罪判決を下し、ペリーとディックは死刑を宣告される。死刑囚官房に移送されることになったペリーに、カポーティは自分を面会者リストに加えるよう指示する。ニューヨークに戻ったカポーティは恋人で同じく作家のジャック・ダンフィ(ブルース・グリーンウッド)に、ペリーとディックの上訴のために腕利きの弁護士を雇いたいと打ち明けるが、彼のことを誰よりも理解しているジャックは”自分のためだろ?”と言い放つ。
 死刑囚官房に通うカポーティは、ペリーが”怪物”でないことを世間に知らせたいと彼を説得し、ペリーが記していたノートを借りることに成功する。そこにはカポーティが知りたかった多くのことが書かれていた。一方、デューイも、カポーティが死刑囚に新たな弁護士を見つけたことに憤慨しながらも、自分の捜査記録を見ることを許可した。これによって執筆は大きく前進する。
 1962年、ジャックとともにスペインの別荘を借りて執筆に励んでいたカポーティのもとに、草稿を読んだショーンが興奮して電話をかけてきた。そしてペリーらの控訴が棄却されたことを告げる。ペリーがあの夜、何が起きたのかを話してくれるまでは次章は書き上げられないと自覚していたカポーティは、予定を早めて彼に会いに行くが、求めていたものは得られなかった。カポーティは、ペリーへの思いをネルにこう語る。「たとえて言えば、彼と僕は一緒に育ったが、ある日、彼は家の裏口から出て行き、僕は表玄関から出た」
 ニューヨークで、「冷血」と題したこの小説の朗読会が開かれる。カポーティが読み上げる物語の前半からの抜粋に観客は釘付けになり、朗読が終わると、熱気に満ちた拍手が送られた。しかし、そのニュースが新聞に掲載されたことで、ペリーにカポーティの嘘がばれてしまう。草稿を読みたいというペリーの要求を、カポーティは”まだ何も書いてない”と断っていたのだ。カポーティは勝負に出る。事件の夜のことはもう話さなくていいと言うことで、逆にペリーの信頼を回復したのだ。ついにペリーの口から、事件の一部始終が語られ始める。
 1964年、ペリーとディックの死刑執行が延期される。ペリーの人生にのめりこみながらも、彼が死刑にならなければ、本が完成しないことを誰よりも承知しているのはカポーティ自身だった。  1965年春、カポーティのもとにカンザス州刑務所から、1本の電話が入る。それは、その後のカポーティの人生を決定付ける運命の電話だった…。

【受賞歴】
第78回アカデミー賞:主演男優賞受賞
ゴールデングローブ賞:主演男優賞(ドラマ部門)受賞
ゴッサム賞:作品賞・ブレイクスルー監督賞受賞
英国アカデミー賞:主演男優賞受賞
アメリカ映画協会賞:作品賞トップ10選出
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞:作品トップ10選出・主演男優賞受賞
全米映画批評家協会賞:主演男優賞・作品賞受賞
ロサンゼルス映画批評家協会賞:主演男優賞・助演女優賞・脚本賞受賞
ニューヨーク映画批評家協会賞:第一回作品賞受賞
ボストン映画批評家協会賞:主演男優賞・助演女優賞・脚本賞受賞
ワシントンD.C.映画批評家協会賞:主演男優賞・脚本賞受賞
ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞:主演男優賞・作品賞トップ9選出
シカゴ映画批評家協会賞:主演男優賞・有望監督賞受賞
放送批評家協会賞:主演男優賞受賞
フロリダ映画批評家協会賞:主演男優賞受賞
トロント映画批評家協会賞:主演男優賞・助演女優賞・新人監督賞受賞
サンディエゴ映画批評家協会賞:主演男優賞受賞