
日本公開:1982年4月9日
製作国:日本
言語:日本語
画面:ビスタサイズ
音響:ドルビー
上映時間:130分
製作会社:プロダクション群狼
アトリエ・ダンカン
製作協力:スタジオテイクワン
スタッフ
監督:柳町光男脚本:柳町光男
製作:柳町光男
池田哲也
池田道彦
撮影:田村正毅
照明:佐藤譲
録音:井家真紀夫
美術:大谷和正
編集:山地早智子
音楽:横田年昭
記録:浅附明子
助監督:米原秀範
製作担当:長田忠彦
プロダクションマネージャー:安西志麻
助監督:中村洋二郎
門奈克雄
萩庭貞明
撮影助手:田中一成
深沢伸行
照明助手:中川成人
越前谷暢晃
録音助手:舛森強
装飾:藤田徹
装飾助手:桜井陽一
大関進
美粧:近江薫
選曲:山本逸美
効果:伊藤克己(スワラプロ)
衣裳係:坂井淳一
スチール:柏木俊夫
編集助手:吉田博
ネガ編集:南とめ
刺青:霞涼二
刺青指導:彫錦
擬闘:伊藤浩市
車輌:下河辺勝蔵
進行:上原英和
進行助手:北口学
岩崎健二
キャスト
山沢幸雄:根津甚八順子:秋吉久美子
山沢明彦:矢吹二朗
山沢文江:山口美也子
大尽:蟹江敬三
フミ子:中島葵
山沢イネ:日高澄子
山沢幸一郎:奥村公廷
山沢竹二郎:草薙幸二郎
順子の母:佐々木すみ江
文江の実兄:松山政路
文江の兄嫁:猪俣光世
老婆キヨ:木下ゆず子
老婆タキ:岸井あや子
霊媒師:白川和子
台湾人の女:岡本麗
女子事務員:志方亜紀子
生コン会社部長:石山雄大
老事務員:港雄一
農協の職員:小林稔侍
運転手A:藤田駿
運転手B:粟津號
運転手C:大門伍朗
生コン会社従業員:荒瀬寛樹
飲んだくれ:小池幸次
銀座の雀の客:三重街恒二
警官:山中康司
暴力団風の男:栗原敏
山沢和也:岡本健司
山沢哲也:大熊敏志
山沢俊也:飯田朗
まり子:潮田和美
ストーリー
茨城県鹿島地方、田園地帯に押し寄せる工場群、その一角に小さな農家、山沢家がある。ダンプの運転手として一家を支える長男の幸雄は、粗暴だが男気があり、仕事も熱心な男である。
そんな幸雄を襲った突然の不幸―――最愛の息子二人が溺死してしまったのだ。幸雄は荒れた。毎晩酒をあおり、仏壇を壊し、妻の文江を蹴とばす。だが、幸雄は背中に観音像と子供の戒名を刺青し、供養するのだった。
幸雄の一人よがりな贖罪に、いたたまれぬ身重の文江は実家に帰るが、そこにも自分の居場所のないことを知り、再び強い決心を抱いて山沢家に戻るのだが……。
東京にいる次男の明彦には、かつて順子という恋人がいた。彼女は、昼間は工場で働き、夜は母の飲み屋を手伝っている。ところが、その母が若い男と突然蒸発してしまい、順子は一人ぽっちになってしまう。
ちょうどそんな折、順子は幸雄に出会ったのだ。ダンプの中で順子は幸雄の刺青を見る。子供の命を背負った男と、その重さを感じた女の熱い抱擁。
順子と意気投合した幸雄は、妻と両親のいる家を捨て、順子とアパート暮しをするようになる。
四年後、二人の間には娘まり子も生まれ、依然として幸雄の二重生活は続いていた。
「化粧づくりの家ば、ここと実家と、二軒も作ってやっから」と豪語した幸雄も、絶頂期が過ぎると、生来の無器用さから仕事も次第に減り始めていた。徐々に広がる不安を、幸雄はダンプ仲間の間に広がる覚せい剤で癒した。
一方、山沢家では、母イネの強い希望で戻って来た明彦も、ダンプの運転手を始めるようになった。兄とは逆に着実に仕事を続けた明彦は、一年目にして事務所を構える程に成長する。
次第に荒んで堕ち込んでいく幸雄と成功者の明彦。二人の間には溝が出来始め、遂には感情的に決裂してしまうのだった。
家計が苦しくなると、自らスナックのホステスとして働き、幸雄を支える順子。そんな順子の気持ちも知らず、覚せい剤に溺れていく幸雄。
借金のカタに家具も減った。順子は仕方なく結婚を控えた昔の恋人、明彦に金の工面を頼んだ。それを知ると幸雄のそれまで鬱積していた弟に対する嫉妬とコンプレックスが、一挙に吹き出した。
覚せい剤で堕ちるところまで堕ちた幸雄。それでも愛し続け、立ち直ってくれることを祈る順子。
明彦の結婚式の日――落ちぶれた幸雄が式場に現われ、明彦に包丁を突きつける。「あやまれ!順子に会うな」、あまりの情けなさに兄を殴る弟……。幸雄は、向う気力も体力もなく引き返すのだった。
誰もいないアパートで覚せい剤を打つ幸雄。何もかも忘れ、窓外の稲のざわめき、木々の揺れに引き込まれる――自然との一体感。帰って来た順子は、「昔のあんたに戻ってほしい」と哀願するが虚しかった。
突然、順子の背中に包丁が突き刺さる。
覚せい剤による幻覚の果ての行為、殺意のない犯行。興奮した気持ちが覚めた時、幸雄はその現実に恐怖するのだった……。
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