THE FULL MONTY
原題:THE FULL MONTY
米国公開:1997年08月15日
日本公開:1997年12月13日
製作国:イギリス/アメリカ合衆国
言語:英語
画面:ビスタサイズ
音響:ドルビーSR
上映時間:93分
配給:20世紀フォックス

【スタッフ】
監督:ピーター・カッタネオ
脚本:サイモン・ボーフォイ
製作:ウベルト・パゾリーニ
撮影:ジョン・デ・ボーマン
美術:マックス・ゴットリーブ
衣裳:ジル・テイラー
編集:デヴィッド・フリーマン
   ニック・ムーア
音楽:アン・ダッドリー

【キャスト】
ガズ:ロバート・カーライル
ジェラルド:トム・ウィルキンソン
デイヴ:マーク・アディ
ホース:ポール・バーバー
ロンパー:スティーヴ・ヒューイソン
ガイ:ヒューゴ・スピアー
マンディ:エミリー・ウーフ
ジーン:レスリー・シャープ
ネイサン:ウィリアム・スネイプ

【ストーリー】
 イギリス北部の都市、シェフィールド。ここは25年前には鉄鋼業で栄えていた。しかし、今は…。
 閉鎖されて空っぽの工場に、不審な人物が3人。以前ここで働いていたガズ(ロバート・カーライル)と親友のデイヴ(マーク・アディ)、そしてガズの息子ネイサン(ウィリアム・スネイプ)だ。ガズの音頭とりで、売って生活の足しにするために鉄柱を盗みに来たのだが、水路を渡る橋にしようとしたところで水の中にザンブリ。道行く人に助けを求めるわけにもいかず、自分たちも落ちてびしょ濡れだ。
 失業してから、もう6ヶ月。誰もがどん底状態だ。ガズは共同親権を得るための養育費700ポンドがなくて、別れた女房マンディ(エミリー・ウーフ)にネイサンを奪われそうだ。ダイエットしようとするとなぜか余計に太ってしまうデイヴは、最近ベッドでアレができなくなって落ち込んでいる。
 そんなとき、道に女たちの長蛇の列が。人気の男性ストリップ・グループ”チペンデール”がこの町で巡回ショーを行うのだ。どんなものかと店の中に潜り込んだガズは、女たちの熱気と歓声に仰天。もっと驚いたのは、トイレでグチを言い合っていた女の一人が立ちションしたことだった。
 女が立ちション? 女の遺伝子が変わってしまった? 「もう男に未来はない!」と叫んだ彼らは、なぜ女たちがあの店へ行くのかを大真面目で議論した挙げ句、もしかすると金儲けのチャンスかもしれないと気づく。女一人10ポンドで400人…。そうだ。今の悲惨な状況を打開する方法はこれしかない!
 排気ガス自殺しようとして失敗した気弱なロンパー(スティーヴ・ヒューイソン)も仲間に入れよう。社交ダンスが得意な元上司ジェラルド(トム・ウィルキンソン)をコーチにすればいい。まだ妻に失業したことを言い出せずにカード払いが破綻をきたしそうなジェラルドは、いまだに上司風を吹かすイヤなやつだが、背に腹は代えられない。彼が新しい就職口の面接を受けているとき、ガズたちは窓の外からチョッカイ出して失敗させ、無理矢理仲間に引き入れる。残りはオーディションだ。合格したのは、ブレイクダンスの心得はあるものの、ちょっと年がいきすぎて足元が怪しい黒人ホース(ポール・バーバー)と、どうやっても音楽とズレてしまうリズム音痴のガイ(ヒューゴ・スピアー)。ホースはその名のようにナニが立派に違いないし、自信たっぷりにパンツをおろしたガイのモノには、全員「たまげた!」。そして、6人そろったところで猛練習が始まる。成せば成る、成さねば金の地獄が待っている。最初は父親のとんでもないアイデアと不様な格好に、目を伏せて呆れていたネイサンも、その真意が自分への愛にあると気づいて、ミュージック・テープ係を買って出た。
 しかし、6人がストリップ・ショーを目論んでいることを知った女たちは大笑い。「その体で? ヘタなダンスで? スッポンポンなら別だけど…」。そうか、フル・モンティ(スッポンポン)なら、みんな見に来るかも…。それが、生きるための究極の前向きの選択だ。
 「デブだ」「ジジイだ」「タレパイだ」。悪口言い合い、文句たらたら、不格好は相変わらず。時には「俺たち、世界一の大バカヤロー?」と、悲しい気分にもなる。そして、太った体に悩み続けたデイヴが脱落。会場を借りるための前金100ポンドなどあるわけもなく、恥を忍んでマンディに借金をしに行っても断られ…。八方ふさがりのガズの前に、ネイサンが自分の預金通帳をそっと差し出す。
 気を取り直して練習を再開した5人。しかし、工場跡でパンツ一丁で踊っているところを見つかって、警察に連行されてしまう。
 ところが、この”事件”のおかげで彼らはすっかり有名人になった。新聞の一面を飾って、チケットもバンバン売れ始めた。もう、やるっきゃない。度胸を決めろ! そして、その日はやって来た。