THE MAN WHO KNEW TOO LITTLE
原題:THE MAN WHO KNEW TOO LITTLE
米国公開:1997年11月14日
日本公開:1998年11月21日
製作国:ドイツ・アメリカ合衆国
言語:英語
画面:ビスタ
音響:ドルビーSRD
上映時間:94分
映倫:G
配給:ワーナー・ブラザース

【スタッフ】
監督:ジョン・アミエル
脚本:ロバート・ファーラー
   ハワード・フランクリン
原作:ロバート・ファーラー『Watch That Man』
製作:アーノン・ミルチャン
   マイケル・ネイサンソン
   マーク・ターロフ
共同製作:マデリン・ウォーレン
撮影:ロバート・スティーヴンス
美術:ジム・クレイ
編集:パメラ・パワー
音楽:クリス・ヤング

【キャスト】
ウォレス・リッチー:ビル・マーレイ
ジェイムズ・リッチー:ピーター・ギャラガー
ローリー:ジョアンヌ・ウォーリー
ボリス・ブラバスキー:アルフレッド・モリーナ
ロジャー・ダゲンハースト:リチャード・ウィルソン
セルゲイ・ニコラエヴィッチ:ニコラス・ウッダーソン
ギルバート・エンブルトン:ジョン・スタンディング
ホーキンズ:サイモン・チャンドラー
ルドミラ・クロポトキン博士:ジェラルディン・ジェームズ
バーバラ・リッチー:アンナ・チャンセラー
ユーリ:クリフ・パリシ
ディミトリ:ジョン・トムソン
アナベル:ジャクリーン・フィリップス
オットー:デクスター・フレッチャー
コンセーラ:イザベル・ヘルナンデス
コクレーン:ロジャー・モーリッジ
ビル:アシュリー・ガンストック
コーバーン:マルコム・ストーリー
フロー・シュースター:ケイト・ファウラー
SWATリーダー:バーナビー・ケイ
中年女性:リンダ・ブロートン
婦警:ジョセフィン・グラッドウェル

【ストーリー】
 ひとりの男がロンドンの空港に降り立った。税関で英国への訪問目的を尋ねられ、「今日は誕生日だ」と理由をならべたて税関職員を唖然とさせている男は、ウォレス・リッチー(ビル・マーレイ)である。アイオワ州のビデオ店ブロックバスターズに勤める彼は、ロンドン在住の銀行家である弟ジェイムズ(ピーター・ギャラガー)と自分の誕生祝いをするため、休暇をとってやってきたのだ。ジェイムズはドイツ人の投資家グループを自宅に招き、商談を兼ねた大切なパーティを開かなくちゃいけない。相手ができないジェイムズは、ウォレスのために誕生日のビックリ・プレゼントを用意して待っていた。

 そのプレゼントとは、参加型演劇体験ゲーム「ライブ劇場」のチケット。参加者が主役となり、俳優たちが演じている人たちに混じり、街中で生のドラマを体験できる。昔から俳優志願だったウォレスは、シェイクスピアの国らしい演劇ゲームに大乗り気だ。「ライブ劇場」の冒険は街角の公衆電話で電話を受けたところから始まる。電話が鳴った。「スペンサーか? ピシュプ通り6番地、女は2階にいる。きちんと始末しろ。以上」。ウォレスは、これがゲームの始まりか、とあわてず騒がず。すっかりヒットマン気分で、指定の場所を目指す。間違い電話とも知らずに。

 途中、2人組の本物の強盗に出会って脅されても、迫真の強盗演技と思いこみ感心するのみ。「こりゃ、面白くなるぞ」と完全にライブ劇場モードへ突入のウォレスなのである。
 折から、英国では英国の現政権がロシアと平和条約を結び、祝賀パーティが準備されていた。が、それじゃ、英国とロシアの諜報部はあがったり。両国の諜報部は平和条約をぶっこわすためサボタージュを画策、再び冷戦を復活させようと狙った。祝賀パーティの席には時限爆弾を仕掛けたロシア人形マトーシュカが置かれていた。爆発まであと3時間12分。

 指定された家には、セクシーな美女が待っていた。女の名はローリー(ジョアン・ウェイリー)。彼女は外相の愛人で、外相が陰謀を書き記した手紙を所持していた。英国情報部はその手紙を入手しようとヒットマンのスペンサーを派遣したというわけだ。スペンサー役になりきったウォレスはローリーを消そうとするが、よどみなく「セリフ」を言う彼女の演技にしばし感心。そんなふたりの前に本物のスペンサーが登場した。ローリーを殺そうとするスペンサーに立ち向かうウォレス。ウォレスは、居間の椅子で死んで動かないスペンサーを見ながら、今まで借りたビデオにも、あれほど本物らしく死人を演じられる俳優を見たことがない、と感嘆するばかり。
 そんななか、ロシア情報部は昼は精肉屋、夜は殺し屋のボリス(アルフレッド・モリーナ)を投入し、ウォレスとローリーを始末するよう命じた。

 一方、ウォレスは調子づき、違った筋書きを考えた。彼は英国の情報部のお偉方ロジャー(リチャード・ウィルソン)と交渉、外相の手紙と交換に300万ポンドを用意させる。銃も銃弾も本物とは思っていない彼は、いまや怖いもの知らず。敵の殺し屋たちもスーパーマンのようなアメリカのスパイと恐れる始末である。が、そんなウォレスも精肉屋ボリス一味の手におち、自白剤を打たれるが、ビデオ店店員と告白するのみで拉致があかない。業を煮やしたボリスは泣く子も黙るドイツの拷問専門家クロポトキン博士を呼ぶことにする。
 ウォレスは鼻アレルギーでボリスの手下を煙に巻き、危機的状況から脱出することに成功し、祝賀パーティに潜入した。ロシアの舞踏団の一員になりすました彼は、コサック踊りに挑戦するのだった。両国要人の前に置かれた時限爆弾仕掛けのマトーシュカ人形は、爆発48秒前までに迫っていた……。