GO NOW
原題:GO NOW
米国公開:1995年08月21日
日本公開:1997年10月04日
製作国:イギリス
言語:英語
画面:ヴィスタサイズ
音響:ドルビー
上映時間:83分
配給:シネカノン

【スタッフ】
監督マイケル・ウィンターボトム
脚本:ポール・ヘンリー・パウエル
   ジミー・マクガヴァーン
製作:アンドリュー・イートン
共同製作:ロキシー・スペンサー
製作総指揮:デヴィッド・M・トンプソン
撮影:ダフ・ホブソン
美術:ヘイデン・ピアース
衣裳:レイチャル・フレミング
編集:トレヴァー・ウエイト
音楽:アラステア・ギャヴィン

【キャスト】
ニック:ロバート・カーライル
カレン:ジュリエット・オーブリー
トニー:ジェームズ・ネスビット
ポーラ:ソフィー・オコネド
歌手:トリッキー
チャーリー:ショーン・ロックス
クリス・キャメロン:トニー・カラン

【ストーリー】
 ニック(ロバート・カーライル)はブリストルに住むごく普通のスコットランド人で、美術装飾職人として働いている。休日はサッカー・チームでセンター・フォワードとして情熱を注ぎ、夜は仲間たちと遊びまわっていた。
 ある夜ニックは同僚で女好きの親友トニー(ジェームズ・ネスビット)とクラブに遊びに行き、ホテルの接客係をしているカレン(ジュリエット・オーブリー)とポーラ(ソフィー・オコネド)に出会う。ニックは歌手(トリッキー)に絡まれているカレンを助けようとし、彼女を守ろうとしたはずみで手首を捻挫してしまう。
 そんな出だしだったが、ビデオ・レンタル店で偶然に再会した二人は、すぐにお互いの距離を縮めていった。ニックはこれまでの人生で一番の幸せをかみしめていた。サッカーでは相変わらずトラブル続きだったけれど、もはやカレンなしではいられない程に恋をしてしまったニックはサッカーの遠征試合から戻ったら一緒に住もうと提案し、カレンもそれを受け入れる。
 ある日ニックは、仕事場で金槌を落として仕上がっていた作品を粉々に壊してしまう。身体にどこか悪いところがあるのではないかと考え病院に行くが、医者は何も教えてくれない。カレンは独自に調べて、ニックに多発性硬化症の可能性があると突き止めるが、わずかな希望を持って打ち明けるのをためらっていた。
 ニックの体のしびれと視力は確実に悪化していった。仕事中に車を運転していた時に急に脚が動かなくなり、ニックはトラックの荷台に衝突してしまう。精密検査を受けるが、依然として自分の身体のどこがおかしいのかは分からず、次第に不安が募っていく。しかしカレンが隠していた多発性硬化症に関する本を見つけ、ついに真実を知ってしまう。そしてニックは徹底的な検査を受けるが、その結果医者は、二人に最も恐れていたことを告知する。
 故郷のグラスゴーからニックの両親と弟妹たちが訪ねて来た。自分の病気のことを家族に告げるニック。動揺を隠せず、自分が息子の身代わりになれたら、と願ってしまう父。家に戻ってきてほしいと頼む母。ニックは彼らの反応を冷静に受け止めようとする。
 やがて日常生活もままならなくなってきたニックは、不安と焦燥から以前のような冗談も言わず、すぐに苛立つようになっていた。性的不能になってからは、カレンが以前付き合っていた上司のチャーリー(ショーン・ロックス)とよりを戻しているのではないかと疑い、二人の間はぎこちなくなっていく。ポーラは、カレンがニックに同情しか感じていないと言い、病状が悪化する前にニックのもとを去ることを勧める。
 カレンは、ふたり一緒にグラスゴーに移り住んで家族の近くで暮らすことを提案するが、ニックはこれを、自分の世話を両親に押しつけるためだと受け止め、口喧嘩になってしまう。当てつけのようにチャーリーとベッドを共にしたカレンは、チャーリーからニックと別れて自分の所に来るように誘われるが、ニックと共に病気と戦うことを心に決める。リハビリの成果もあって病状を小康状態を保つが、その頃ニックは、カレンのためにも二人は別れるべきだと考え始めていた。
 ある日ニックは遠征中の浮気をカレンに告白する。そして自分と別れろと告げて降りしきる雨の中にカレンを追い出してしまうが、彼女は立ち去ろうとしない。彼女は雨の中で待ち続けた。カレンはニックが自分にとって、そして自分がニックにとってどんなに特別で必要な存在であるかがわかっていた。ニックは窓から何度も彼女を盗み見る。やがてニックの胸には、カレンに対する抑えきれない思いが溢れ出てきた。よろめきながら階段を降りて、彼女の腕の中に倒れ込んだニックを、カレンはしっかり受け止めた。
 純白にデコレートされた式場。トニーが乾杯の指揮をとる。そして中央には幸福そうに寄り添うニックとカレンの姿が。今日は二人の結婚式だ。家族、そしてサッカー・チームの仲間たちに囲まれ、祝福されながら二人は決心する。これからも、何度も乗り越えなくてはならない壁があるだろう。でも二人一緒に前へ進むことに決めたのだ。自分たちなりの方法で、自分たちの選んだ人生を生きていくのだと。